記事を書く。
動画をつくる。
SNSに投稿する。
コンテンツをつくるとき、私たちは「何を伝えるか」を考えます。
しかし、その前に決めておきたいことがあります。
それは、
「このコンテンツを見た人に、どうなってほしいのか」
という目的です。
知ってほしいのか。
理解してほしいのか。
共感してほしいのか。
それとも、実際に行動してほしいのか。
目的によって、伝える内容も、言葉の選び方も、見せ方も変わります。
情報を伝えるだけでは、コンテンツは完成しません。
相手に起こしたい変化を考えることが、コンテンツ設計の始まりです。
「認知を広げたい」だけでは、目的が見えてこない
コンテンツの目的を尋ねると、よく次のような答えが返ってきます。
「多くの人に知ってもらいたい」
「認知を広げたい」
「SNSで話題にしたい」
「再生回数を増やしたい」
もちろん、知ってもらうことは大切です。
しかし、「認知を広げる」だけでは、その先に何を目指しているのかが分かりません。
たとえば、新しいサービスを紹介する動画をつくる場合でも、目的はいくつか考えられます。
- サービスの存在を知ってもらう
- サービスの特徴を理解してもらう
- 他社との違いに気づいてもらう
- 自分にも必要だと感じてもらう
- 詳細ページを見てもらう
- 資料請求や申し込みをしてもらう
目的が違えば、動画に必要な情報も変わります。
存在を知ってもらうための動画なら、短く印象的な表現が有効でしょう。
仕組みを理解してもらうなら、図解や具体例が必要です。
申し込みにつなげたいなら、料金や利用方法、不安を解消する情報も欠かせません。
「認知を広げる」は、ゴールではなく入口です。
知ったあとに、相手にどうなってほしいのか。
そこまで考えて、初めてコンテンツの目的が具体的になります。
コンテンツが生み出す4つの変化
コンテンツの目的は、大きく4つに分けて考えることができます。
1.認知|存在を知ってもらう
商品、サービス、活動、課題などの存在を、初めて知ってもらう段階です。
この段階では、詳しい説明を詰め込みすぎる必要はありません。
大切なのは、
「これは何だろう」
「少し気になる」
「自分に関係があるかもしれない」
と感じてもらうことです。
短いSNS動画や印象的なビジュアル、分かりやすいキャッチコピーなどが適しています。
2.理解|内容や価値を分かってもらう
存在を知っている人に、仕組みや特徴、背景を理解してもらう段階です。
なぜ必要なのか。
どのような問題を解決するのか。
ほかの選択肢と何が違うのか。
こうした情報を、相手の知識に合わせて整理します。
記事、解説動画、図解、事例紹介などが力を発揮します。
3.共感|自分とのつながりを感じてもらう
人は、内容を理解しただけでは、必ずしも心を動かされません。
「自分にも同じ経験がある」
「この考え方を応援したい」
「この人たちなら信頼できそうだ」
そう感じたとき、情報は自分ごとに変わります。
つくり手の思い、利用者の体験、社会的な背景、失敗や葛藤を含む物語などが、共感につながります。
4.行動|次の一歩を踏み出してもらう
最後は、具体的な行動を促す段階です。
記事を読む。
動画を見る。
保存する。
誰かに共有する。
メール登録する。
問い合わせる。
商品を購入する。
行動の大きさは、コンテンツによって異なります。
必ずしも購入や契約だけが行動ではありません。
「次の記事を読む」「一度調べてみる」といった小さな一歩も、重要な変化です。
すべてを一つのコンテンツに詰め込まない
一つのコンテンツで、認知、理解、共感、購入まで、すべてを実現したくなることがあります。
その結果、情報を詰め込みすぎてしまいます。
商品の特徴。
開発者の思い。
利用者の声。
料金。
キャンペーン。
会社の歴史。
申し込み方法。
すべてを伝えようとすると、最も大切なメッセージが見えなくなります。
コンテンツには、時間や画面の大きさ、読者の集中力といった限界があります。
だからこそ、一つのコンテンツには、一つの中心的な目的を設定します。
たとえば、SNSの短い投稿では興味を持ってもらう。
詳しい記事で背景や価値を理解してもらう。
事例動画で共感や信頼を育てる。
最後に、サービスページで問い合わせや申し込みにつなげる。
一つのコンテンツですべてを完結させるのではなく、複数のコンテンツで相手の気持ちを少しずつ動かしていく。
その考え方が、無理のないコンテンツ設計につながります。
記事、動画、SNSには、それぞれ役割がある
媒体によって、得意なことは異なります。
SNS|出会いをつくる
SNSは、まだ自分たちを知らない人との接点をつくるのに適しています。
短い言葉や映像で興味を引き、続きを見たいと思ってもらう。
すべてを説明する場所ではなく、最初のきっかけをつくる場所と考えると、内容を整理しやすくなります。
記事|理解を深める
記事は、背景や理由、具体的な方法を順序立てて伝えることができます。
検索を通じて、悩みを抱えている人に長く届くことも特徴です。
表面的な情報だけではなく、考え方や知識を深く届けたいときに向いています。
動画|感情と空気を伝える
動画は、表情、声、音楽、場所の雰囲気まで伝えられます。
事実を説明するだけでなく、共感や信頼を生み出しやすい媒体です。
現場の姿や人の思いを伝えたいときに、大きな力を発揮します。
メール|関係を育てる
メールは、一度接点を持った相手に継続して情報を届けられます。
SNSのように偶然見つけてもらうのではなく、関心を持ってくれた人との関係を少しずつ深めていく場所です。
それぞれの媒体に同じ内容をそのまま載せるのではなく、役割を分けてつなげることが大切です。
読後の行動から、内容を逆算する
コンテンツの目的を明確にするためには、最初に「見たあとの状態」を考えます。
たとえば、メール登録をしてもらいたいとします。
その場合、いきなり登録を呼びかけるだけでは、相手は動きにくいでしょう。
登録してもらうためには、その前に次のような気持ちが必要です。
「この情報は役に立った」
「もう少し学びたい」
「この人の考え方を信頼できる」
「次の記事も読んでみたい」
では、その気持ちを生み出すために、何を伝える必要があるでしょうか。
読者が抱えている悩みを明確にする。
悩みが起きる理由を説明する。
すぐに試せる考え方を伝える。
次に学ぶべき内容を示す。
このように、ゴールから逆算すると、コンテンツに必要な情報が見えてきます。
つくり手が話したいことを並べるのではなく、相手が次の一歩へ進むために必要な内容を選ぶ。
それが、目的から考えるコンテンツ設計です。
CTAは「売り込み」ではなく、次の一歩
記事や動画の最後には、CTAを設置することがあります。
CTAとは、「Call To Action」の略で、相手に次の行動を促す案内です。
たとえば、
- 続きの記事を読む
- 動画を視聴する
- SNSをフォローする
- メール登録する
- 資料をダウンロードする
- 商品を購入する
- 問い合わせる
といったものです。
CTAに対して、「売り込みのようで抵抗がある」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、CTAは無理に何かを買わせるためのものではありません。
相手が次に何をすればよいのかを、分かりやすく示すものです。
良い情報を届けても、次の行動が示されていなければ、読者はそのままページを閉じてしまいます。
大切なのは、コンテンツの内容とCTAを自然につなげることです。
初心者向けの記事を読んだ直後に、高額なサービスの購入を求めれば、相手は大きな距離を感じます。
一方で、
まずは、次につくるコンテンツの目的を一つ書き出してみましょう。
という提案なら、すぐに行動できます。
その次に、
制作とマーケティングを継続して学びたい方は、無料のメール登録をご利用ください。
と案内すれば、無理のない流れになります。
相手の現在地に合った、小さな一歩を用意する。
それがCTAの役割です。
目的と目標を混同しない
目的を考えるとき、再生回数やアクセス数などの数字だけを置いてしまうことがあります。
たとえば、
「動画を1万回再生させる」
「記事へのアクセスを1,000件集める」
「SNSで100件の反応を得る」
これらは、成果を測るための目標です。
一方、目的は、その数字を通じて相手や事業にどのような変化を生み出したいのかを示します。
たとえば、
- 目的:地域の環境問題を、自分の生活とつながる問題として考えてもらう
- 目標:記事を1,000人に読んでもらい、100件の保存を得る
あるいは、
- 目的:動画制作を学びたい人の不安を減らし、最初の一歩を後押しする
- 目標:解説動画から50件のメール登録を得る
数字は、コンテンツが目的に近づいているかを確認するために使います。
数字を増やすこと自体が、コンテンツの存在理由にならないように注意が必要です。
コンテンツの目的を決める5つの質問
制作を始める前に、次の5つを書き出してみましょう。
1.誰に届けるのか
相手の年齢や職業だけではなく、今抱えている悩みや置かれている状況まで考えます。
2.見たあと、何を感じてほしいのか
驚き、安心、共感、期待、危機感など、動かしたい感情を決めます。
3.何を理解してほしいのか
相手に持ち帰ってほしい中心的なメッセージを、一文で表します。
4.どのような行動をしてほしいのか
保存、共有、次の記事の閲覧、メール登録、問い合わせなど、具体的に設定します。
5.その行動を妨げる不安は何か
難しそう、時間がない、信頼できるか分からないなど、行動を止める要因を考えます。
この5つが整理されると、必要な情報と不要な情報を判断しやすくなります。
まずは「一つの変化」を決める
良いコンテンツとは、情報量が多いものではありません。
見た人に起こしたい変化が、明確に設計されているものです。
すべてを覚えてもらう必要はありません。
一つのことを知ってもらう。
一つの考え方に気づいてもらう。
一つの不安を軽くする。
一つの行動を始めてもらう。
その一つが明確であれば、コンテンツは強くなります。
内容を削ることにも、自信を持てるようになります。
何を加えるかだけではなく、目的に必要のないものを何として外すか。
それも、コンテンツを設計する力です。
まとめ|相手に起こしたい変化から考える
コンテンツは、情報を伝えた時点で終わるものではありません。
その情報を受け取った人が、何を感じ、何を理解し、どのような一歩を踏み出すのか。
そこまで考えて、初めて目的のあるコンテンツになります。
制作を始める前に、次のことを確認してみてください。
誰に届けるのか。
何を感じてほしいのか。
何を理解してほしいのか。
どのような行動をしてほしいのか。
目的が明確になれば、伝える内容が整理されます。
媒体の役割も、タイトルも、構成も、CTAも決めやすくなります。
「何を伝えよう」と考える前に、まず問いかけてみましょう。
このコンテンツによって、相手にどのような変化を起こしたいのか。
その答えが、コンテンツ全体を導く軸になります。
次につくる記事や動画、SNS投稿を一つ思い浮かべてください。
そして、「見た人にどうなってほしいのか」を一文で書いてみましょう。
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