水が、足りない未来。
水は、なくなる。
そしてそのとき、都市は静かに崩壊する。
※これまでNEOTERRAINでは、「都市は水でできている」「水は誰のものか」を通して、水の構造と支配を読み解いてきた。
今回は、その先にある“未来”に踏み込む。
水は、なくなる
蛇口をひねれば、水が出る。
その当たり前は、いつまで続くのか。
水不足は、遠い未来の話ではない。
それはすでに、静かに始まっている。

都市は、水を前提にできている
都市は、水があることを前提に設計されている。
- 飲料水
- 工業用水
- 農業用水
- エネルギー冷却
そのどれかが止まるだけで、都市は機能を失い始める。
気候と人口が、限界を押し上げる
気候変動によって降水パターンは変わり、干ばつは長期化している。
一方で人口は増え続け、水の需要は増加し続けている。
供給は減り、需要は増える。
この構造は、すでに限界に近づいている。
水不足は、すでに始まっている
世界では、約20億人が安全な飲み水にアクセスできない環境で暮らしている。
2050年には、世界人口の半数が水不足のリスクに直面すると予測されている。
水が足りないのではない。
足りなくなる構造が、すでにある。

水は、見えない形で輸入されている
日本は、水を輸入している。
ただしそれは、ペットボトルではない。
食料という形で、
“見えない水”を大量に輸入している。
これを「バーチャルウォーター」と呼ぶ。

年間800億立方メートルという現実
日本が海外から輸入しているバーチャルウォーターは、
年間約800億立方メートル。
これは、日本国内で使われる水の総量に匹敵する。
水は、見えないまま移動している。
食卓に隠れた水
- 牛丼1杯:約2,000リットル
- ハンバーガー:約1,000リットル
- コーヒー1杯:約210リットル
水は、見えない場所で消費されている。

崩壊は、静かに始まる
水不足は、突然起きるものではない。
徐々に供給が制限され、
やがて都市の一部から機能が失われていく。
崩壊は、静かに始まる。

未来は、水で分断される
水を確保できる都市と、できない都市。
それは、新たな格差を生む。
水は、未来の境界線になる。
それでも、人は水をつくろうとする
海水淡水化。
再生水。
AIによる最適分配。
人類は、水を「つくる」段階へ進み始めている。
それは解決なのか。
それとも、新たな依存なのか。
水が止まるとき
蛇口をひねる。
水が出ない。
その瞬間、都市は「都市」であることをやめる。
水は、社会そのものだ。
NEOTERRAIN Journal|Sora Field Notes

