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地域資源は“商品”か、“資本”か。

夜明けの海辺の町並みと職人の工房風景。「売るか、育てるか。」という問いを象徴する地域資源のイメージ。
日本の地方都市の夜明けと職人の工房を象徴的に描いたイメージ。
Contents

売るのか、育てるのか。

地域資源は、売るための“商品”なのか。
それとも、未来を生む“資本”なのか。

この問いは、いま地方企業にとって避けて通れない。 人口は減り、市場は縮小し、観光は波がある。 それでも、地域には何かが残っている。

山であり、海であり、技術であり、記憶であり、物語。 問題は─それを「どう扱うか」である。


商品モデルの限界

多くの地域ビジネスは、資源を“商品化”してきた。 特産品をブランド化し、観光地をパッケージ化し、イベントで集客する。

短期的には成果が出る。 しかし、流行が過ぎれば売上は落ちる。

商品モデルは、 「今、いくら稼げるか」に最適化されている。 だが、それは資産を積み上げる設計ではない。


資本モデルという発想

一方で、地域資源を“資本”として扱う企業がある。

資本とは、時間とともに価値が増幅し、 次世代へ引き継がれる構造である。

山口県・長門市の焼き抜き蒲鉾。 100年以上続く製法は、単なる食品技術ではない。 それは職人の哲学であり、地域の誇りであり、 外部の人間が学びに来る“教材”でもある。

売ることだけを目的にすれば、 安価な大量生産に切り替える選択肢もあるだろう。 しかし、あえて製法を守り、語り、見せる。

その行為自体が、 ブランドという無形資産を積み上げている。


関係人口という“資本”

徳島県・祖谷では、観光が再定義されつつある。

泊まって終わる観光ではない。 農作業を手伝い、空き家を直し、地域と関わる。

消費ではなく、関係をつくる。

一度来た人が、また戻ってくる。 友人を連れてくる。 仕事で関わる。

それは売上では測れない。 だが確実に積み上がる“関係資本”である。


無形資産経営という現実

企業価値の多くは、すでに無形資産が占めている。

ブランド、信頼、ネットワーク、知識。 これらは財務諸表に表れにくい。

しかし、長期的な競争力を決めるのは、 物理的な設備よりも、無形の蓄積だ。

愛媛県・今治市のタオル産業は、 タオルを“商品”としてだけでなく、 品質思想として世界に示してきた。

安さではなく、哲学。 それが資本になる。


地域企業が持つ、本当の強み

地方企業は、資本が少ないと言われる。 だが本当にそうだろうか。

土地との関係性。 長年の信用。 顧客との距離感。 物語の厚み。

それらは、都市企業には真似できない。

地域資源を「売る」企業は多い。 だが、「育てる」企業はまだ少ない。

育てるとは、

  • 教育に活かす
  • 研究に接続する
  • 他産業と結ぶ
  • 次世代に語り継ぐ

この設計があるかどうかで、 資源は“消費財”にも“資本”にもなる。


縮む市場で、何を積み上げるか

市場は縮むかもしれない。 だが、関係は縮まない。 むしろ、深くなる。

地域資源を“商品”として扱えば、価格競争に巻き込まれる。 地域資源を“資本”として扱えば、時間が味方になる。

売上は波がある。 だが、信頼は蓄積する。


結び

地域資源は、商品か、資本か。

その選択は、単なるマーケティングの違いではない。 それは、企業の未来設計の違いである。

売るのか。
育てるのか。

その答えが、10年後の企業価値を決める。 そしてそれは同時に、地域の未来を決める選択でもある。

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