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学びを地域でつくる─入間市が挑む“産官民×教育”の新モデル

夕暮れの教室で子どもたちが街を眺め、工場・物流・小売を示すアイコンが浮かぶ。学びと社会のつながりを象徴するイラスト。
未来を学ぶ子どもたち(イメージ)

「地域の学びを、地域の力で育てる」─埼玉県入間市で始まった、自治体・小売・製造が連携する出張授業。子どもたちは、いつも食べている“肉まん”がどのように作られ、運ばれ、店頭に並ぶのかを体験しながら学びます。本記事では、この取り組みを「教育」と「ESG」の観点から読み解き、企業がなぜ学校教育に参画するのか、その本質に迫ります。


入間市SDGsロゴ
Contents

探究学習が求める「社会とつながる学び」

文部科学省が推進する探究学習では、教室の外へ出て、地域や企業と接点を持ち、主体的に学ぶ姿勢を育むことが重視されています。しかし、学校と企業・自治体が連携するには、調整や教材化のハードルもあり、現場では「つながりづらさ」も課題として残っています。

入間市では、自治体が包括連携協定を活用し、小売業のセブン‐イレブン、製造業の中村屋と協働。“製造 → 流通 → 販売” の一連のプロセスを学びの教材として提供する、新しい産官民教育連携が動き始めました。


授業風景イメージ

工場から店頭まで─“リアルな学び”を届ける出張授業

■ 実施スケジュール

  • 令和7年11月27日(木)/入間市立藤沢東小学校
  • 令和7年12月3日(水)/入間市立藤沢北小学校(SDGs食品ロス講座も併催)

■ 授業内容

  • セブン‐イレブンの店舗スタッフが「選ばれる店づくり」を実演
  • 中村屋が“地元工場でつくられた肉まん”を提供し、製造の裏側を紹介
  • 子どもたちは、実際に食べながら「製造‐流通‐販売」の仕組みを学ぶ

対象は2校の児童約190名。日常の「買い物」を教材化することで、働くことの意味や地域産業の存在を“自分ごと”として捉える機会を生み出しています。


“働くこと”を身近にする、地域密着型の学び

この取り組みの価値は、工場見学や店舗訪問を超えた“視点の転換”にあります。

  • いつも買う商品に、誰かの工夫と技術が宿っていると気づく
  • 地域企業との出会いを通して「ここで働く」という未来を想像できる
  • SDGs・食品ロスなどのテーマを、自分の生活と結びつけて理解する

これは、探究学習における「主体性」「対話」「深い学び」をそのまま体現する授業とも言えます。


なぜ企業は教育に参画するのか?─ESGで読み解く企業メリット

1|E:Environment(環境)

食品ロス削減、地産地消、サプライチェーン最適化など、企業が取り組む環境配慮を“未来の消費者”である子どもたちに伝える場として機能します。環境価値の可視化は、企業のE活動そのものです。

2|S:Social(社会)──最大の理由

教育支援は、「社会価値の創出」を最もわかりやすく示せる行動とされています。

  • 地域の子どものキャリア形成を支える
  • 学びの格差を埋める社会インフラになる
  • 未来の地域人材との接点をつくる(=将来の雇用)
  • 地域企業としての信頼を高める

企業と地域の間に“関係性資本(Social Capital)”が蓄積され、地域全体の好循環が生まれます。

3|G:Governance(ガバナンス)

自治体・学校という外部ステークホルダーと連携することは、企業の透明性や説明責任を高め、ガバナンス面の強化につながります。投資家からも評価されやすい領域です。


結論:教育連携は「最も純度の高いESG行動」である

企業が教育に参画する理由は、善意だけではありません。

教育への貢献は、ESGの中でも特にS(社会)とG(ガバナンス)で高い評価を得られる行動であり、企業のパーパス実装・地域との関係構築・未来の市場形成につながる、長期的な“投資”といえます。

地域の子どもたちの学びを支えることは、未来の地域経済と社会を支えること。入間市の取り組みは、まさにその最前線にあります。


引用元:プレスリリース:入間市 × セブン‐イレブン × 中村屋(PR TIMES)

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