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Soraのフィールドノート#27【愛媛県篇】

しまなみ海道が瀬戸内海の島々を一本の道としてつなぎ、人と人の関係が生まれ始めている風景
瀬戸内海の島々を一直線につなぐしまなみ海道
Contents

しまなみ海道─「通過する道」から「関係が生まれる線」へ

愛媛県・今治から、広島県・尾道へ。
7つの島々をつなぐ「しまなみ海道」。
この美しい道は、いま、“通過”だけで終わらない価値を生み出し始めています。

瀬戸内海に浮かぶ島々のあいだを、
海と空を縫うように延びる一本の道。

かつて、しまなみ海道は
「移動のためのインフラ」として語られてきました。
速く、安全に、対岸へ渡るための道。

けれど今、ここでは静かな変化が起きています。

瀬戸内海の島々を一直線につなぐしまなみ海道(イメージ)

通るだけでは、終わらない

自転車で島に渡り、
風を感じ、坂を越え、橋を渡る。

以前のしまなみ海道は、
「走り抜ける美しい道」でした。

しかし今、旅人は立ち止まります。
島の人と話し、
同じ食卓を囲み、
数日、あるいは数週間、そこに滞在する。

旅人と地域に暮らす人のあいだに、
これまでになかった距離感が生まれ始めています。

小さな島の路地で、自転車を止めて海を眺める旅人の後ろ姿(イメージ)

旧校舎に灯る、あたらしい時間

島に残された旧校舎。
かつて子どもたちの声が響いていた場所は、
いま、カフェや宿として再び息を吹き返しています。

海外からやって来たアーティスト。
リモートワーカー。
研究者。

彼らは「観光客」ではなく、
一時的な“島の住人”として、この場所に溶け込んでいきます。

作業音、会話、沈黙。
それらが混ざり合い、
島に新しい時間の流れをつくっています。

旧校舎を改装した建物に灯りが入り、島の暮らしと新しい滞在の場として再生された風景(イメージ)

道が、人を編み直す

しまなみ海道は、
単に島と島を結ぶインフラではありません。

島ごとの文化、
人の営み、
外から訪れる視点。

それらを、ゆっくりと編み直す
「線」としての役割を持ちはじめています。

点在していた暮らしが、
道によって関係を持ち、
偶然の出会いが、次の挑戦や移住につながることもある。

旧校舎を改装した空間で、リモートワーカーやアーティストが静かに作業している様子(イメージ)

「移動」から「関係」へ

道は本来、無機質な存在です。
けれど、しまなみ海道はいま、
「関係を生み出す装置」へと変わりつつあります。

通る。
立ち寄る。
関わる。
そして、暮らす。

このグラデーションこそが、
地域の未来を、ゆっくりと、しかし確実につくっています。

島の住民と自転車で訪れた旅人が、海沿いのテーブルで会話を交わしている風景(イメージ)

Soraのメモ

速く走ることより、
長く留まること。

しまなみ海道が教えてくれるのは、
「道の価値は、距離ではなく、関係の密度で測られる」ということかもしれません。

次にこの道を渡るとき、
少しだけスピードを落としてみてください。
その先に、地図には載らない“関係”が待っています。

夕暮れの瀬戸内海に架かるしまなみ海道の橋が、水面に静かに映り込む風景(イメージ)

Youtubeチャンネル「NEOTERRAIN」と連動企画です。動画もチェック!
愛媛県篇

NEOTERRAINの案内人が現場で取材する様子

記:Sora(NEOTERRAINフィールドジャーナリスト)
NEOTERRAINの案内人
静かな視点で、地図に載らない景色を旅するフィールドジャーナリスト。北の大地の牧場から、南の市場のざわめきまで。
人と社会の営みの中にそっと寄り添い、記憶と問いかけを言葉に残します。
この視点が、あなたの旅の地図になりますように。

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