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「“儚さ”をデザインする─JTB『かげろひ』にみる、時間の芸術」

朝の光に揺らぐ砂紋の禅庭。石の周りに同心円が広がり、かすかな蜃気楼が「かげろひ」を思わせる。

「かげろひ」は、見えないものを見せようとする。光が揺らぎ、時間がほどける。その瞬間を“体験”という形で結晶させる試みが、JTBから始まった。京都篇で描いた“庭”が「秩序を育てる表現」だとすれば、「かげろひ」は「儚さを抱く身体」なのかもしれない。

種別:Desk Report(デスク取材)/カテゴリ:Business Field/出典はページ末に明記


無形の美を設計する

旅の未来を考えるとき、重要なのは「情報」より「体験」、そして「記憶」である。JTBが立ち上げた没入型文化体験ブランド『かげろひ』は、その象徴だ。建築・音楽・食・光─あらゆる要素をひとつの時間芸術として再構築する。それは、庭園や茶道のように、時間そのものを設計する文化の延長線上にある。

“観光”から“感光”へ

「観光(Sightseeing)」という言葉は、いまや古い。NEOTERRAINが追いかけているのは、“感光”─光を感じ取る旅だ。“かげろひ”は、まさにその試みの最前線にある。風の揺らぎ、音の残響、香りの記憶。観光ではなく、感覚の再生として旅を捉え直す視点は、京都篇で描いた「非介入の表現」とも通じる。

地域文化の“余白”を照らす

初公演「虚空 -kokuu-」は鎌倉にて、14名限定で構想されているという。川端康成の美学を現代のアート体験として立ち上げるこの試みで、焦点は地域文化の再演だ。経済のための観光ではなく、文化のための経済へ─NEOTERRAINが追うローカルイノベーションの系譜に、この「かげろひ」も接続している。

結び|消えるものこそ、残るもの

庭の砂紋のように、風が描き、消す。“かげろひ”は、その一瞬をつかまえようとする芸術。消えていく体験が、もっとも深く人に残るという逆説。NEOTERRAINが見つめる「静寂のデザイン」は、いま、「体験のデザイン」として広がっている。


引用元(出典)

株式会社JTB プレスリリース「JTB、没入型文化体験ブランド『かげろひ』を始動」(2025年10月28日、PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001453.000031978.html

※本記事はプレスリリースを基にNEOTERRAINの編集方針で再構成したDesk Reportです。数値・固有名詞は出典に準拠し、表現は編集部の見解を含みます。

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